いつか、きっと。
「マジで!?っていうことは、まさか未来……。本気で瀬名くんと付き合ってみようとか思いよる?」

それは困る。

まだ一緒に映画を観ただけなのに、気が早すぎるんじゃないかな。

こうなったら瀬名くんは未来と付き合うつもりはないってこと、言った方がいい?

「いやいや、さすがにまだそこまでは思っとらんよ。まだちょっとしか喋っとらんし。もう少し一緒におってみてからやね、先の事ば考えるとは。じっくり瀬名くんのこと観察してみるけん。ところでさぁ、明日美。例の作戦は大丈夫やろうね」

「あ、ああ、アレね。まだどうなるか正直言ってなんとも言えんけど……」

今日の目的は、未来と瀬名くんを会わせるだけではない。

未来が私のためにお節介を焼いてくれることになっている。

「ちょっとー。そがん自信無さげで大丈夫と?私は私の役割ば果たすために頑張るつもりやけん、明日美も頼むばい。っていうか、この作戦は明日美のためやけんね!分かっとる?」

……分かってるよ。

私の事を心配して親身になってくれる未来には本当に感謝してる。

この作戦で私と友也の関係に変化があるのかどうかは未知数だけど、せっかく未来が私のために動いてくれるっていうのだから、少しでもいい方向に進むことを期待したい。

やっぱり持つべきものは親友だよね。

その親友のために私も頑張らなきゃね。

「未来、私は未来の相手が田代先輩でもそうじゃなくても、未来には幸せになってほしいって思っとるよ。だけん私にできることは何でも協力するつもり。今日の作戦、私のためにありがとね。ちゃんと上手くいくごとするけん、よろしくね未来」

「うん!任してよ。お互いの幸せのために協力し合おうね。今頃あの二人はどがんしとるやろね?」

私もかなり気になってる。

友也は瀬名くんと話してみたかったと言っていたけど、どんな話をしているんだろう。

ゴンドラが乗降口に近付いてきて友也の姿が目に入ったけど、こちらに背を向けていて顔が見えなかった。

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