いつか、きっと。
映画の内容は、コメディだから笑えるんだけどそれだけじゃなくて。

笑いあり感動ありのハートフルラブコメディだった。

そして特に主人公の女性が可愛くて健気で憧れてしまった。

私もあんな風になりたい……。

「かっわいいなぁー」

つい言葉に出てしまった。

「そうか?俺からしてみれば、明日美の方が可愛かって思うぞ」

「へっ!?」

ちょっと、友也ったらそんな不意打ち反則でしょ!!

周りが薄暗いとそんな恥ずかしい台詞まで簡単に言えちゃうの?

まあでも薄暗いからもしも私の顔が赤くなってしまっていたとしても、目立たないからいいか。

まさか友也、そこまでちゃんと計算してるとか。

顔の赤味は誤魔化せたとしても、繋いだ手から私のドキドキが友也に伝わってしまったんじゃないかな。

心臓だけでなく全身がドクドクと脈を打ってるような気がする。

心を落ち着かせようとジュースを一口飲んだ。

あ、そうか、私の左手は友也と繋がっているから動かせない。

だから右側に置かせたんだね……。


映画が終わり東宝シネマズを出て、エスカレーターを下りながら未来が言った。

「せっかくココウォークに来たけん観覧車乗らん?」

観覧車か……。

乗ってもいいけど、正直言って今更観覧車でもないかな。

友也と瀬名くんはどうなんだろう?

「うーん俺はパスかな。悪かけど」

「ごめん俺も今日はパス。明日美は?」

やだこれで私までパスしたら……。

「えー。じゃ、女だけで乗ってこようか明日美。二人は仲良く待っとってね!明日美行こ行こ」

「え、あ、待ってって未来……」

有無を言わさず未来に引っ張られて観覧車乗り場に連行された。

大丈夫かな、友也と瀬名くん。

二人きりで置いてきて……。

休日だというのに行列もなく、案外スムーズに乗ることができた。

ゴンドラに乗り込むと、早速未来が話し出す。

「瀬名くんってチャラいとかと思ったけど、意外と真面目そう。話も結構合うし、なかなか好印象やったよ」

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