課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
『お前のような奴にうちの娘は渡さんっ』

『おじさんっ』
と叫んだ雪乃は、自分を責める伯父を非難しているのではなく。

 うちの娘と言ってくれたことに感激しているようだった。

 なにか向こうで感動の家族ドラマが繰り広げられているようだ。

 そう思いながら、羽村は、そっと電話を切った――。






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