課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~




「そうか。
 ついに羽村も結婚か」

「しません」

 数日後、いつものように、羽村は五嶋家に来ていた。

 三上と花田と浩太郎も後から来るはずだった。

「なんでだ。
 会社変わるのやめたのも、彼女と見合い出来なくなったら困るからじゃないのか」
と言う雅喜に、

「違いますよ。
 課長たちと離れるのが寂しかったからですよ。

 友人の会社の方は、なにか他の形でサポートできないかと考えているところです」
と言うと、また、そんなことを、と言いながらも、雅喜は少し嬉しそうなようにも見えた。

「だいたい、今更、彼女と見合いするの、変でしょうが。

 っていうか、僕、まだ真湖りんと浮気するの、諦めてないですからね?」
と言って、叩き出されそうになる。
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