課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
 雪がぱらつく中、

「なんであの、格好いい真湖さんのご主人が、ハシビロコウなんですか?」
 などというしょうもない話をしながら、二人で駅に向かい歩く。

 少し後ろを、伴走車よろしく、隆雄と雪乃の母らしき女の乗った大きなセダンがスピードを落としてついてきているのに気づいていたが――

 まあ、とりあえず、気づかぬフリをした。




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