課長の瞳で凍死します ~羽村の受難~
昔は赤ん坊の生存率が高くなかったので、一週間生きられたお祝いに、ということで、お七夜の祝いというものが出来たらしいから。
その日に命名の儀をやると言うのは、子どもがこの世界の一員になるという意味もあるのではないかと思うのだが――。
「……そうですよね。
早く、名前を決めるべきですよねっ」
と立ち上がったが、口からは、なにも出てはこなかった。
「世の中、意気込みだけじゃ駄目ってことだよね……」
まあ、頑張って、と羽村が呟く。
だが、その横に座る雪乃が、
「でも、すぐに決められないのは、それだけお子さんのことを考えてらっしゃるからだと思いますよ」
と微笑んでくれた。
「雪乃さんっ」
と真湖は雪乃の手を握る。
「ありがとう、雪乃さん。
何故、貴女のような人が羽村さんと?」
と思わず言って、ちょっと真湖りん……という目で羽村に見られた。
その日に命名の儀をやると言うのは、子どもがこの世界の一員になるという意味もあるのではないかと思うのだが――。
「……そうですよね。
早く、名前を決めるべきですよねっ」
と立ち上がったが、口からは、なにも出てはこなかった。
「世の中、意気込みだけじゃ駄目ってことだよね……」
まあ、頑張って、と羽村が呟く。
だが、その横に座る雪乃が、
「でも、すぐに決められないのは、それだけお子さんのことを考えてらっしゃるからだと思いますよ」
と微笑んでくれた。
「雪乃さんっ」
と真湖は雪乃の手を握る。
「ありがとう、雪乃さん。
何故、貴女のような人が羽村さんと?」
と思わず言って、ちょっと真湖りん……という目で羽村に見られた。