夜が明けるとき ~続・魔法の鍵と隻眼の姫
……フフフフフフ……
不意に誰か男の声がして目を開く。
辺りを見回してもミレイア意外誰もいない。
…なかなか面白い反応をする奴だな……
「誰だ!」
「ラミン?」
突然叫び出したラミンに驚くミレイア。
……フフフ、周りを見ても誰もいないよ。私はお前の中にいるのだから……
「なに!?」
頭に響く声にイライラと髪を掻き乱す。
聞いたことのない声。
直接話しかけてるということはこいつは……。
…フフフ、お前の考えてることが手に取るように分かる…私の呪いにこうも抗うとは…とても興味深いがそろそろ潮時だ。私も気が短いのでね……
「何をするつもりだ…」
……なにも…私は復活したいだけなのだよ?その為にはヴァルミラと…その息子アドラートの力が必要だ。うまく隠れてるようだが、大事なものを奪われてはお前も困るだろう?…
「なに?」
…ヴァルミラを誘きだすのだ。お前にはもう用はないがその血はなにかと便利そうだ。もう少し私の力になってもらうよ……
「ふざけんな!そんなそんなことするか!」
どこにいるのか分からない、頭に響くこの声は恐らくグラージャだろう。
ずっと呪いと共にラミンの中に潜み復活の機会をうかがっていたというのか?
ギリギリと歯を食い縛り全く気付かなかった己を責める。
「冗談じゃねえぞ…」
「そういうわけにはいかないだろう」
「なっ!……お前!!」