夜が明けるとき ~続・魔法の鍵と隻眼の姫
・・・

「ハインツ…そこまでして……」

ハインツの話を聞いて自分達の為に結婚を決めたと聞いて驚きと共に感動を覚えた。
そこまでしてくれるハインツに感謝の念が絶えない。
そしてハインツの父の話にアルトバルも気が付いた。
反対するものに反発ばかりしてきたアルトバルは目から鱗の心境だった。


「…そうか、ただ議会で訴えてるだけではだめなのだ……」


それからハインツ夫妻はサリアの後見人となり、アルトバルは結婚に反対する者達一人一人と話し合い、どれほどサリアは素晴らしい女性で王妃に相応しいか、どれだけサリアの事を愛しているのか訴えた。

サリアも王妃としての自覚と品格を持つように勉強に励み慎ましやかにアルトバルを支えた。
ハインツの後見もあり反対するもの達は徐々に軟化していった。

最後まで反対していたのはやはりルイーナの父ドルモンド公爵。
王子との結婚が叶わなくなり未だに独身の娘を思ってのことだと気付いたハインツは、他国の王族親族の公爵との縁談を持ちかけた。
それに喜んだドルモンド公爵は渋るルイーナを説き伏せ嫁がせ、アルトバルの結婚を容認したのだった。
そしてようやく全員からサリアとの結婚が認められる事になり結婚することができた。

アルトバルがサリアと結婚すると公言してから3年後の事だった。

その間にハインツ夫妻には息子ラミンが生まれ、幸せそうな家族を羨ましく思いながらも自分達もハインツに負けないくらい幸せな家族を作ろうと励みにしていた。

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