あたしを知らないキミへ
5 枯れない涙
「お母さん、サキの散歩に行ってくる」
「気をつけて行ってくるのよー」

お母さんの言葉を聞き終えてから、あたしはサキを連れて外に出た。

「あっつ・・」

外に出た瞬間、真っ先に飛び込んできたのは大きな太陽だった。

あぁ・・そっか。
もうそんな季節だったっけ。


すぐそばに、夏がきていた。


ワンワン‼

いつにも増して元気なサキにあたしは、つい頬がほころんだ。
最近、散歩に行けてなかったからサキも嬉しいんだろう。
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