あたしを知らないキミへ
そしたら、この子のお母さんがあたしの所までやって来て、

「すみません、急に。こら、ダメよ。そんな無理言っちゃ」

「どうしたんですか?」

「コンビニを出たら犬が隅で震えていたんです。飼い主がいないみたいで。そうしたらこの子、わんちゃんが可哀想だって言って側から離れないんです。出来ることなら私達が飼ってあげたいんですけど、アパートに住んでいるから犬が飼えなくて困ってるんです。」

「じゃーあたし飼いますよ」

「え?!いいんですか?」

「はい」
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