あたしを知らないキミへ

駅に来ると、変にアイツに期待してしまう自分がいる。

駅に「いないでほしい」という気持ちと「いてほしい」という気持ちで入り乱れて、いつもあたしの胸をかき乱す。

そして、その気持ちが今、電車を待っている自分にも起こっている。
そんなことを思いながら電車を待っていたら、ようやく赤いランプが点滅して電車がやって来た。

すぐに電車に乗ったけど、もうすでに電車の中は人でいっぱいだった。
もしこれが学校の時だったら、気分ガタ落ちだったかもしれないけど、朋美ん家に行くだけだから一駅しかまたがなくて済むからよかった。

あたしは、少しの間、電車に揺られながら窓の外を眺めていた。


ガタン・・ゴトン・・
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