あたしを知らないキミへ
あたしは、いつものように朋美と喋りながら歩いている時だった。
あたし達の前を歩いている美麗先輩に一本の着信が入った。
軽快な音と共に、美麗先輩が携帯を取った。
「もしもし」
そんな声が後ろから聞こえてきた。
朋美と話をしていても、美麗先輩の後ろを歩いているせいか声が聞こえてくる。
相手側からの声は聞こえないけど、美麗先輩が楽しそうに話をしているのが分かる。
それから美麗先輩が電話を切った。
今まで隣を歩いていた美麗先輩の友達が、
「誰と話してたのー?」
そう聞いたんだ。