あたしを知らないキミへ
あたしもたまにしてしまうことがあるけど、横断歩道を渡りたい時、もちろん歩行者が優先ではあるけど、車が止まっても、車が止まることが当然かのように一礼せずに渡ってしまうことがある。

だけど、美麗先輩はただ一人が横断歩道で車が止まった時、必ず一礼してから渡っていた。
他にも、美麗先輩が電車の扉の近くに乗っていた時・・。
電車が満員で降りるのに困っている人がいれば、一回自分が電車から降りて、他の人が降りてからまた電車に乗る彼女の姿があった。


その姿を初めて見た時、あたしは本当に美麗先輩には敵わないんだと実感したんだ。


あんないい先輩を、アイツは見つけたんだ。
どこのカップルよりも素敵で憧れる美男美女。
まさにアイツと美麗先輩のことだった。

その事実にあたしは、涙が止まらなかった。

とんでもない奴に恋をして、

でもその気持ちが収まることはなくて。

苦しくて辛かった。
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