あたしを知らないキミへ


そう言った朋美の目に、一滴の雫が頬を伝った。


どうしてだろう・・。

こんなに胸が痛いのは。

いつからあたしは、朋美にこんな大きな負担をかけてしまっていたのだろう。


自分のことばかりで、朋美の話を全然聞いてあげることができなかった。
朋美も賢斗と同じように、自分よりも相手の方が大事で、自分を見失うほどに、朋美は優しくて人思いな人なんだ。

「朋美にそんな負担ばっかかけさてごめん。本当にごめん。やっぱりあたしのせいだ・・」

「そんなことない!恵美加のせいなんかじゃないよ!恵美加がこうやって自分を責めると思ったから今まで黙ってたの。あたしが自分で決めて恵美加の側にいたいって思ったからそうしたの。だから自分を責めないで」

「でも・・」

「あたしは恵美加が心友でよかったよ。恵美加はあたしの自慢の親友だよ!」
そう言って朋美はあたしを抱きしめて泣いた。
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