あたしを知らないキミへ
「周りからチヤホヤされて、それに嫉妬した女子達があたしをいつからか悪者にしたの。よく近所でも言われることがあったんだ。「この子はきっと男の子に困らないわね」って。小学校の頃、仲良かった子もあたしから離れていって、あたしは一人になった。そして、いつからか人を信じられなくなったんだ。だけど、恵美加に出逢って、恵美加を初めて見た時、この子もあたしに似てるなーって思ったんだ。それから恵美加と仲良くなって、あたしの大切な存在になった。あたし初めてちゃんとした友達ができてすっごく嬉しくて。絶対に恵美加を失いたくなかったの。それからダーリンと出逢った。本気で好きな人があたしにも出来て、すごく幸せだった。高校生になって恵美加にも本気で好きな人が出来て、あたし嬉しくて。恵美加にも好きな人と幸せになってほしかった。あたしの想像以上に恵美加は本気で紘樹先輩を好きになって、そして叶わない恋だってことも知って、恵美加はすごく苦しんだと思う。きっとあたしの想像もできないくらい、いっぱい泣いて苦しかったんだと思うんだ。そんな恵美加を見て、あたし支えたいって思ったの。初めて出来た大切な友達だし、恵美加を失いたくなかった。だから、ダーリンよりも恵美加を優先してなるべく恵美加の力になってあげたかったんだ。それに愛想つきちゃったのか、ダーリンとケンカが増えて・・。最近ダーリンね、違う女の子と歩いている姿をよく見かけるの。見ていてすごく仲良さそうだった。髪の毛短くてショートの子ですごく可愛かった。あたし・・ダーリンのことまだ好きなんだ。どうすればいいか分からなくなって、あたしもあの子みたいに髪の毛切って短くしたら前みたいに振り向いてくれるかなーって。そんなバカみたいなこと考えて髪の毛切ったの。もう、どうすればいいか分からなくなっちゃって。あははっ・・あたしってほんとにバカだなー。今は恵美加と元に戻れたからよかったけど、でも結局、恵美加とケンカしちゃってうまくいかなかった。やっぱり難しいね。だけど、恵美加を一番に失いたくなかったの」
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