あたしを知らないキミへ
それからまた、学校が始まった。
もうすぐで卒業式が近づいてくる。
あたしは、変わらず同じ時間帯の電車に乗って学校に向かう。

いつかの日にアンタを見かけて以来、あたしはアンタを見かけなくなった。
つい見てしまう、アンタがいた1両目の1番前。

いつも遠くからアンタを眺めていた。
その場所は、あたしにとってすごく想い出のある場所でもあった。

あたしは、アンタを見かけることのないまま、卒業式は前日を迎えていた。
ここらへんの学校は、皆同じ日に卒業式がある。


あれからあたしは、アンタの姿を一度も見ることはなかったーーー。
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