あたしを知らないキミへ
17 濃かった高校生活
春休みが終わって、あたしは高校3年生になった。

ほとんどが進路のことで、3年のスタートも慌ただしかった。

色んなことがあった。
スポーツフェスティバル・文化祭・修学旅行・合唱コンクール・・。
いつにも増して、クラスの団結力がすごくて、それぐらい本気になれて沢山の嬉し涙を仲間と共に流した。
クラスの皆と毎日のように一緒にいることが当たり前だったはずなのに、実はそんなことは当たり前なんかじゃなくて、気づけば進路の時期になっていた。

あたしは改めて、いつか皆バラバラになるんだと日々痛感している。
この前まで、始業式をしたばっかなのに、どんどん時間は過ぎていって気づけば卒業の季節になろうとしていた。

皆、進路が決まっていて、学校も2月に入ってから週1登校に変わった。
朋美は、地元の専門学校に行くことになった。
あたしは、東京の大学に進学することになった。

正直、まだ自分の将来の夢とかはっきりしていなかったから、とりあえず大学に進学して、そこで夢を見つけるつもりでいた。
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