あたしを知らないキミへ
もう、あれからずっとアンタを見ていない。
元気でやってんのかな。
今はどんな風になってるんだろう。

そんなことをずっと考える日々だった。
たまに、急に想い出して泣いてしまう時もあったくらい。

だけど気づけばもう明日は卒業式で・・。

あたしはしばらく沢山の車が行き交うのを、ただぼんやり眺めていた。
そして、色んな記憶を想い出しながら・・。

ふと、あたしは深呼吸する。
なんだろうな・・。

懐かしい匂いがした。

そしてしばらくしてから、あたしはまた歩き出したんだ。
今度は音楽も聴かず、ただ歩いて行く。

高校3年間、同じ道をひたすら歩いたこの道・・。
そんな道を、あたしは周りの景色を眺めながら、ゆっくり歩いていた・・。


卒業式当日。


あたしは、お母さんと一緒に学校に向かった。
車で学校に行くのなんて、試験の時と入学式の時以来だったから、少しだけ新鮮だった。
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