あたしを知らないキミへ
気が付けば大人になっていて、気が付けばあたしは、お母さんになっていた。

もう子供とは言える年じゃないけど、お母さんにとってあたしは、ずっとずっと子供のまま。
それは多分、若菜が大人になった時でも言えることなんだと思う。

何年振りかくらいにお母さんと並んでみたら、知らないうちにお母さんの背を越していた。
小さい頃はお母さんにすがっては、背が届かない分、お母さんの服の袖を引っ張っていた。

それが気づかないうちに大きくなっていて、今では目線があたしの方が上になっていた。
「変わらずこれからもお母さんに甘えてちょうだいね。じゃないと、お母さん寂しくなるから。あははっ」

そう言って笑ったお母さん。
「うん」
そしてあたしも同じように笑った。
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