あたしを知らないキミへ
「あたしは曇ってたほーがいい」

「あらどうして?」

「あたしに合ってるから」

「なによそれ。ほんとアンタは誰に似たのかしら」

「おばあちゃんじゃね?」

「あはは。確かにそうかもしれないわね」

あたしのおばあちゃんは、あたしが中学一年の頃に病気で亡くなった。
おばあちゃんは男っぽくて、口調もそれなりにきつい人だった。
だけど、いつもおばあちゃんが口癖のように言っていた言葉があった。


「自分らしく生きなさい」
< 62 / 388 >

この作品をシェア

pagetop