あたしを知らないキミへ

近所でも何人かおばあちゃんのことを怖がる人がいて、あまり近づこうとしなかった。

だけどおばあちゃんは、いつも前を向いて生きていた。

そしてよく、道路や道端に落ちているゴミを見つけては1人で掃除して綺麗にしていた。

滅多にそんなことをする人はいないから、おばあちゃんを不思議がる人もいたけど、おばあちゃんは周りの目なんて気にしないで思いのままに生きていたんだ。

そんなおばあちゃんの近くであたしは育ったから、今の性格になったのかもしれない。


「ねー覚えてる？おばあちゃんが生きていた頃さ、よく1人で道路や道端に落ちてるゴミ見つけては自分で掃除してたよな」

「懐かしい。そんなこともあったわねー」