クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

「俺の部下になにか変な真似をしたら、許さねぇぞ」

 殺意全開ですごまれ、涙目になった桑井さんは「はいぃぃぃ……っ!」と何度も首を縦に振る。

 それを見た部長はつかんでいた桑井さんの首元を離すと、こちらにむかって手を伸ばした。

「宮下」

 おいで、と視線で言われたけれど、ずっと緊張状態だったせいかうまく体が動かせなかった。

 顔をこわばらせたまま立ち尽くす私を見た部長は、あきれたようにひとつ息を吐きだし私の手を握った。
 長い指がからみ、脈を打つ鼓動が速くなる。

 手を引かれホテルの外へつれ出される。
 しばらく歩いてホテルから離れると、部長は足を止めてこちらを見た。

「どうしてあんなやつについていったんだ」

「す、すみません。大切な書類を忘れたからホテルの部屋に取りに行きたいと言われて……」

「それで素直に信じたのか」

 表情を険しくした部長に、私は慌てて説明を付け加える。

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