クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


「なにを言われても傷つきませんから、話してください」

 私が食い下がると、部長が言おうか言うまいか迷うように唇に力を籠める。
 私に対して後ろめたいなにかがあるのは確かだ。

 しばらく黙り込み考え込んだあと、部長はこちらを見て首を振った。

「いや、なにも隠していない」

 話してもらえなかった……。

 ショックを受け、ぎゅっと握りしめた手が冷たくなった。

「宮下。なんで突然そんなことを言い出したんだ?」
         
 険しい表情で問われた。
 私は必死に勇気を振り絞り顔を上げる。

「前に常務が部長をたずねてきたことがありましたよね」

 私の言葉に部長が首をかしげる。

「そのとき言ってましたよね? 『私がこちら側につけばかなり有利に進む』って」

 そう続けると、部長の表情が明らかにかわった。
 いつも冷静な彼がうろたえた様子で口ごもる。
               

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