クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


「宮下、大丈夫か?」

 真剣な問いかけにうなずくと、どたばたと騒がしい足音が聞こえてきた。

「遙、大丈夫か!?」

 父や兄や常務が部屋になだれ込むように入ってくる。

 床にうずくまっていた桑井さんたちは、部長ひとりで太刀打ちできなかったのにさらに人が増え、もう反抗する気力をなくしたよう床に手足を投げ出した。

 そしてゆっくりとしたヒールの音が響き顔を上げると、最後に母が入ってきた。
 部屋に入ってきた母はものすごい迫力で三人の男たちをねめつける。

「あなたたち、この辺りを荒らして好き勝手してくれたみたいだねぇ」

 どすの聞いた母の低い声に、空気が変わり桑井さんたちは震えあがった。
 その後ろから入ってきたスーツ姿の男たちが慣れた様子で三人を縛りあげる。



 このスーツの人たちはいったい誰なんだろう。
 この状況が理解できずにぽかんとしながら見ていると、部長が私の前で膝をつき震える手で私に触れた。
       

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