クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

「大丈夫だったか?」

 真剣な表情の彼のまなざしに、ようやく助かったんだという安堵がこみあげてきた。

「部長……」

「殴られたんだな。いたかっただろう?」
       
 私の切れた唇を見て、つらそうにきれいな顔をゆがめる。
 私はぷるぷると首を横に振ってから、その場にいる人たちを見回した。

「どうしてここがわかったんですか……?」

 私の質問に、父が答える。

「母さんの昔の伝手を使えば簡単だよ」

「お母さんの?」

「母さんの実父は、この辺りを取り仕切っていた龍鳳組の親分だからね」

 そう言われ、目を丸くする。
                

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