クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
無事挨拶を済ませ、恵介さんの車に乗り込む。
外まで見送りに出てくれたご家族に頭をさげ、その姿が見えなくなると助手席のシートに背中を預けほっと息を吐きだした。
その様子に気付いた恵介さんが、ハンドルを握りながらちらりとこちらを見る。
「さわがしい家族だっただろ」
「いえ、いろいろお話できて、すごく楽しかったです」
「本当に?」
ご家族の勢いに私が引いていないか心配なんだろう。
恵介さんの問いかけに、私は笑いながら首を横に振る。
「本当です。ご家族といる恵介さんは、会社で見せる完ぺきな南部長と全然イメージがちがっておもしろかったです」
「情けなくて幻滅したか?」
「まさか。恵介さんの情けないところがあるのは、前から知っていましたし」
「前から?」
「私が恵介さんと出会ったのは、恵介さんがうちに遊びにきてくれたときだと思ってます?」
そうたずねると、恵介さんはうなずいた。
そのきょとんとした表情に、ふふっと笑みをもらしながら口を開く。