クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


 この状況を頭の中で整理する。

 まさかこれは、裸の南部長に腕枕をされている……!?

 現状を理解して脳みそが沸騰しそうになった。

「す、すみません……っ!!」

 とっさに口をついて出たのは悲鳴のような謝罪の言葉だった。
 自分でもなにに対して謝っているのかわからないけれど、なんだかものすごく部長に迷惑をかけた気がする。

「宮下。わるいけど俺、寝起き悪いからあんまり大きい声ださないで」

 部長は目を閉じたまま、暴れる子供をあやすように腕枕をした手でぽんぽんと私の頭をなでる。
 寝起きのせいかもともと低い部長の声が今は少しかすれていて、ものすごくセクシーだ。

 部長の寝起きが悪いなんて知らなかった。

 そのまま私の胸に抱きこんで、ぼんやりとまどろむ部長。
 私は彼の腕の中で硬直しながら必死に昨夜の出来事を思い返す。


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