クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
きっと酔った私を放っておけず部長は私を部屋に連れてきてくれたんだろう。
そして私は部長の部屋で勝手に服を脱ぎベッドにもぐりこんで、眠ってしまったらしい。
恥ずかしさと情けなさで、めまいがしてきた。
枕に顔をうずめ自己嫌悪におちいっていると、部長は上半身を起こしてこちらを見る。
「一応誤解のないように言っておくけど、キス以上はしていないからな」
私は枕から顔を上げ、力いっぱい首を縦に振る。
昨夜のキスも私を部屋に連れてきてくれたのも、酔って泣きながら告白する私を不憫に思ったからだろう。
もしかして部長が寝ている私になにかしたかも……、なんて疑うほどうぬぼれたりしない。
「もちろんわかってます。紳士で大人な部長が私に手を出すわけがないって」
部長を安心させるように力強くそう言ったあと、「でも」と続けた。
「私、恋愛経験がまったくないので……」
私が言葉を選んでいると、部長は「ん?」と先を促すように相槌を打った。