クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました


私がここに泊ったと正直に言って大丈夫なのかなと困惑していると、「はい」とスマホを返された。

「あ、あの部長、私ひとりで帰れますよ?」

 スマホを受け取りながら言うと、南部長は私を安心させるように穏やかに首を振った。

「社長はかなり激高しているようだから、俺もついていってちゃんと説明したほうがいいだろう」

「でも、あの父の様子なら南部長の顔を見た途端、殴りかかりかねませんよ」

「俺を心配してくれるのはうれしいけど、宮下がひとりで家に帰って社長と真一を納得させる説明ができるか?」

 たしかに、私ひとりであの過保護で口うるさいふたりを納得させるのは、至難の業だ。

 今でも過保護なのにさらに厳しくなって門限の時間が早められてしまうかも。
 それどころか、私の居場所が把握できるようにGPSを持たせるなんて言い出しかねない。
 そんな展開を想像して青ざめる。


「俺からうまく説明するよ」

 不安な表情の私に、部長はおだやかにそう言った。

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