クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

 住み慣れた我が家に帰ってきただけなのに、ご立腹の父と兄が待ち構えているかと思うと緊張でごくりとのどが鳴った。

 そんな私の動揺を感じ取ったのか、運転席を降りた部長が安心させるように言う。

「そんな不安な顔をしなくても大丈夫。俺にまかせておけば、うまくふたりに説明するから」

 ぽんと頭をなでられくすぐったさに首をすくめる。

「ありがとうございます」とはにかみながらお礼を言うと、部長は慌てたように横を向いた。

 なんだかわざと顔をそらされたような気がして少し寂しく感じていると、バターン!と玄関の大きな扉が開いた。

 驚いてそちらを見ると、両開きのドアの前には仁王立ちの父と兄。

 一見父はダンディで渋いおじ様で、兄はさわやかでたくましい好青年だ。
 けれど今のふたりは一睡もしていないのか、充血して真っ赤になった目をランランとさせものすごい形相でこちらを見ていた。



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