クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました

 和室に通され、座卓を挟んで父と兄と向かい合う。

 高圧的な態度で「説明してもらおうか」とふんぞり返るふたりにも動じず、部長は簡潔に昨夜の出来事を話す。

 先輩の新谷さんが私を接待に連れて行き、銀行員の桑井さんに強引にお酒を勧められ飲まされたこと。
 そして書類を取りに行くからとホテルの部屋に連れ込まれそうになったこと。

その話を聞いていた父と兄は膝の上で手を握りしめ、怒りでぷるぷると震えだす。

「とりあえず、新谷とその銀行の桑井とかいう男は絶対に許さん。とくに桑井は二度と太陽の下を歩けなくしてやる」

 低い声でそうつぶやく父。
 真顔で言うと本気のように聞こえるから怖い。
 冗談はもう少し明るいトーンで言ってほしい。

「でも、桑井さんは銀行の役員の親族だって……」

 私がそう言うと、父は「それがどうした」と言い放つ。

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