クールな部長の独占欲を煽ったら、新妻に指名されました
「他者の権力を振りかざして悪事を働こうとするやつは、取るに足らない小物に決まっている。相手が首相だろうが大統領だろうが関係ない。そんな卑怯な奴は徹底的に踏みつぶしてくれる」
怒りでぷるぷる震える父の隣で、兄がため息をついてから口を開いた。
「ようするに、遙が危ないところに恵介が駆けつけて助けてくれたんだな?」
兄の言葉に私はうんうんと何度も首を縦に振る。
「そうなの。南部長が来てくれたら何事もなくすんだの」
「それはわかったが、どうしてそのまま遙を自分の家に泊まらせたんだ?」
父にそう質問され、私はぎくっと跳び上がる。
「それは、部長が動揺している私を心配して親切心で……」
「では、遙と南の間にはなにも間違いはおこらなかったんだな?」
もちろんです。とうなずこうとした私の隣で、部長がとんでもない言葉を口にした。
「いえ、遙さんを抱きしめてキスをしました」
衝撃発言にその場が凍り付く。
目の前にいる父と兄は目と口を全開にしたまま呼吸すら忘れ固まっていた。