@YUMI KO
27年前~友則side~
今から27年前。


まだ18歳だった美河由美子は河名友則(カワナ トモノリ)と共にこの土地にやってきた。


2人とも若かったが、互いの気持ちは本物だった。


由美子の家が代々河名家と決別をしていたって、この想いを止められることはできなかった。


幼い頃からいつも一緒にいて、物心ついたときにはすでに互いに惹かれあっていた。


そんな相手と家の都合で引き離されるなんて、あり得ないことだった。


2人の両親は異性は他にも沢山いる。


自分に会った相手を探してあげると、何度も言った。


けれど、そんなもの聞こえなかった。


今の自分には由美子しか、そして友則しかいないのだ。


若気の至りと言われようが関係なかった。


どうしても結ばれないと知った2人は早々に家を出てアパートで暮らし始めた。


若い2人は収入も少なく、立派な家に暮らす事なんてできなかった。


築60年以上経過しているボロアパートで、暮らしは常にカツカツだった。


それでも2人は幸せだった。


これが自分たちの選んだ道だ。


愛する人が傍にいるだけで、自分たちはこんなにも充実している。


そんな、幸せな毎日だった。

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