極上旦那様ととろ甘契約結婚
「……っ」

まるでその想いに燃やされそうで、息苦しさに薄く唇を開いたその時、ニヤリと笑ったり修吾さんが素早く身体を乗り出して私の唇を奪った。さっき距離があるって言ったばかりなのに。

「全部話すよ。本当は思い出して欲しい、それが無理ならいちから成美に惚れられたいって贅沢な気持ちもあったんだけど、それは程のいい言い訳だから」

「あ、あの……」

展開の速さと修吾さんの気持ちの強さについていけない。

職場での修吾さんはロボットみたいに表情を出さない人で。結婚してからは包み込むような微笑みも悪戯っ子な表情も見せてくれたけれど、いつも穏やかだった。別の言い方をすれば、あまり感情を表に分かりやすく出すことのない人で。こんな苛烈な熱情は初めて見る。

「とりあえず話すから。質問は後で受けるよ」

私の困惑に気付いているくせに、まるで面白がるように右の口角を上げた修吾さんはゆっくりと話し出した。



「あの日、俺も母の葬式だったんだ」

「あの、日?」

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