極上旦那様ととろ甘契約結婚
「成美はきっと、これまで誰ともこんな会話する事なく生きてきたんだ。だから、当然だよ。誰かを信頼して話して、そして自分でもやっと本当の自分が理解出来るんだから。俺に話してくれて、信頼してくれてありがとう」

背中に回された手の、顔を埋めた胸の体温が優しい。

私はゆっくりと脱力して身を任せ、小さな声で答える。

「夫婦、ですから……」

「ーーーそうだな」

「あの、夫婦なので、もう一つお願いしてもいいですか?」

「ん?」

「どうやら私、泣きたいみたいで……泣いてもいいでしょうか?」

「ーーーああ、勿論。泣き止むまでずっとこうしてるから、遠慮なく」

「ありがとうござ、います……うっ……あの、お願いついでに…ひくっ……泣き顔は見ないでもらえますか?」

「約束しよう。でも成美の泣き顔、きっと可愛いと思うんだけど?」

「ぐすっ……ぐすっそれはっ、わ、分からないっです。だってもぅずっと泣いてないから……ううっ……自分でも見てないんですぅ〜ううっ」

< 68 / 133 >

この作品をシェア

pagetop