幸せの扉を探して
涙あり、笑いありの
大学卒業の式典は終了した。
夕方から全学部での謝恩会が
行われる。
参加者は、半分位だろうか
私と永莉は、参加する事にしていた。
架瑠も来週から会社勤務になるため
学生時代最後の飲み会に参加する
事にしていた。
一度、永莉と別れて
架瑠と大学を後にした。
「桜、明日話がしたい。」
「うん、わかった。」
実家へ帰った時の話だとわかった。
架瑠は、私に隠し事はしないだろうと
思っていたから・・・
「じゃ、明日の朝
架瑠のマンションに行くね。」
と、言う私に
「なんで?」
「ん?」
「謝恩会、顔出したら
一緒に帰るよ。
俺のマンションに。」
「えっと・・・・」
「綺麗な桜を見て
俺が明日まで我慢できるとでも?」
「うふふっ、わかった。
袴姿を見てほしいのと
大学卒業の挨拶に
小田さんの事務所に行ってくるね。
あかねさんも待っていてくれて
いるから。」
と、言うと
架瑠は、少しムッとしたが
「わかった、事務所の下まで
送るから。」
と、タクシーに二人で乗り込んだ。
架瑠は、小田さんの事務所にいる
弁護士の先生方にやきもちを
妬いているみたいで・・
バイトのときも毎回、こうなる。
私なんか、弁護士の先生方に
何とも思われてないのに。
だけど、架瑠に好きだと
言われているようで・・・・
「私は、架瑠だけ。
架瑠がいてくれたら、
他は何にもいらないの。」
と、架瑠の手に自分の手を重ねて
耳元で伝えた。
架瑠は、ピクッとしたが
嬉しそうに笑って
私のおでこにキスをした。
もぅ、運転手さんいるのに・・・・
小田弁護士事務所で降りて
架瑠に手を振り中に入った。
事務所の中にはいると
あかねさんが、直ぐに飛んできて
可愛い・・・だの
綺麗・・・だの
騒ぎながら、写真を沢山とってくれた。
「小田さん、あかねさん
無事に大学を卒業しました。
本当にありがとうございました。」
と、言うと
あかねさんは、涙をいっぱいためて
「桜ちゃん、本当に良く頑張ったね。」
と、言ってくれた。
「桜ちゃん、卒業おめでとう。
来週から、頼むよ。」
と、小田所長。
「はい、宜しくお願い致します。」
と、頭を下げた。
明日、架瑠と婚姻届を提出する予定だ。
その事は、小田さん夫婦には
伝えている。
架瑠も小田さんのご自宅に行き、
きちんと挨拶をしてくれて、
小田さんもあかねさんも
凄く喜んでくれた。
事務所のスタッフの方々にも
挨拶をして、みんなで写真をとった。
本当に、みなさん優しくて
良いかたばかりで
来週からの仕事も楽しみだった。
「桜ちゃん、おめでとう。
凄く、綺麗だよ。
それに似合ってる。」
「あっ、ありがとうございます。」
事務所いちイケメンで
副所長の荒木 颯天さん。
荒木さんは、独身で
仕事もできるから
内外からも、凄くモテる
そして、とても優しい。
まぁ、私なんか相手に
される事もないが・・
私は、架瑠を愛していて
夫婦になるから
関係ないが・・・