幸せの扉を探して

救急車が到着して
私とその男性は、一緒に乗り込んだ。
お店の方には、その男性が
頭を下げてくれていた。

この人は、いったい・・・

前回入院した病院に運んでもらった。
桜は、直ぐに検査が始まったから
私は小田さんに連絡をして

横に座る男性に
「あのあなたは、なぜ桜の名前を?」
「君は、沢田さんだよね?」
「えっ、なぜ私の名前を?」
「俺、明治大学出で小林 新。
同級だよ。架瑠の友達だった。」
「ええっ、大友君の?
      ん?だった?」
「ああ、架瑠の会社に
一緒に入って、架瑠をサポート
していたから。
桜ちゃんからご飯食べさせて
もらったりしていたんだ。
だけど、あいつ・・・。

SHISEIDOを辞めたから
もう、架瑠とは切れた。」
「そうだったんだ。
ごめんなさい、覚えてなくて。
その上、助けてくれて
ありがとうございます。」
と、言っていると
「「永莉ちゃん!!!」」
と、小田さんとあかねさんが
来てくれた。

丁度、先生が見えて
小田さんとあかねさんは、
説明を聞きに先生と去った。

私と小林君は、桜の病室に入る
青白い顔の桜・・・
小林君も、じっと桜を見ていた。

そこに、小田さんと
涙を溜めたあかねさんが
戻ってきて
二人は、小林君を見て
どなた?と言う顔をしたから
説明をすると
小林君は、きちんと挨拶を
二人にしていた。
「小田さん、あかねさん
桜の容態は?」
「俺も聞いていいですか?」
と、言う小林君に
小田さんは、頷きながら
「桜ちゃんは、妊娠している。」
「もうすぐ、3ヶ月になるみたい。」
と、小田さんとあかねさん
「えっ・・・」「・・・・・・・」
私達二人は、言葉が出なかった・・
私は、桜の手をとり
「私が、ずっとそばにいます。」
と、言いながら涙が流れた。

どうして・・どうして・・・
桜は、こんなに苦しまないと
いけないの・・・・
と、思っていると
私の頭に手が乗った

あっ、颯天さんだ
と、振り替えると
やはり、颯天さんで
私は、颯天さんの胸に飛びこんだ
颯天さんは、私の体を包み込んで
抱き締めてくれた。

少しして、落ち着くと
颯天さんに、
「彼は?」
と、聞かれて
小林君は、また、きちんと名乗った。
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