幸せの扉を探して

退院**


出産から一週間たった。

「明日、桜ちゃんの診察をして
問題なかったら退院ね。」
と、先生。

「本当ですか?
先生、結俐も一緒に?」
「もちろん、結俐君もね。」
「ありがとうございます。」
「乳児健診の時は来てね。」
「はい。」
「結俐君の事で、
気になる事とかあったら
この間の小児科の先生に
必ず、診てもらってね。」
「はい。」
「桜ちゃん、
赤ちゃんを生んだからって
直ぐに立派なお母さんには
ならないんだから
赤ちゃんと一緒に成長していけば
良いからね。
赤ちゃんと一緒に過ごせる時間は
少しなの。
直ぐに大きくなっちゃうから
一緒に過ごせる時間を
楽しみながら子育てしてね。」
「先生、ありがとうございます。」
と、言うと
あかねさんもニコニコしてくれた。

病院じゃなくなると
架瑠にも会えなくなる。

だけど、架瑠を縛る事は
できないのだから
この別れが丁度良い
と、桜は思った。

桜の顔に陰りができたとき
あかねは、架瑠君の事を
考えているのが
わかったが、何も言わずにいた。

その夜も架瑠は来てくれたから
「明日、異常なかったら
退院するね。
今まで、ありがとう。
もう、心配ないから
架瑠は、架瑠の生活に戻って。」
と、言うと
架瑠は、悲しそうな顔をしたが
「わかった。」
と、言って
結俐を抱き締めて
「ママの事を頼むな。
寂しがりやだから
いつも笑っていれるように
してあげてくれよ。」
と、言って
結俐の頬にキスをし
結俐を、桜に返して
結俐を抱く桜事
抱き締めて、桜にキスをした。
「桜っ、愛してる。
  これからも変わらない。」
と、言うと
桜から離れて病室を後にした。

桜の瞳から····涙が···溢れた···
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