幸せの扉を探して
現在6️⃣

振り返り**


二人が出ていってから
相澤家のリビングは
異様な静けさだった。

それを打ち消したのは
   瞳子の父親だった。

「悪いが、大友さん
帰ってもらえないか?
娘と今後の話しもあるし
酷く、疲れてしまった。

それと、SHISEIDOとの
事業を見直しをするつもりでいる
また、連絡します。」
と、言った。

卓は、反論しようと
相澤の顔をみたが
反論の余地はないようにみえた。

卓は、妻の春を連れて
自宅に帰った。

大友夫婦が帰宅してから

瞳子の父親は、
すぐに弁護士の小田の事を調べさせた。

その連絡がくる間に
娘を見て・・
「瞳子、しばらく日本を
離れなさい。
ほとぼりが覚めてた時
お前が日本に戻りたいなら
帰って来れば良いし
そのまま海外で生活しても
かまわない。」
と、言うと
「あなたっ!!」
と、妻は言ったが・・・

「お母さん、私もそうしたい。
私は、どこかで間違ってしまいました。
人を卑下したり、追い詰めたり
自分が怖い・・・
少し心の中を落ち着かせて来ます。」
と、瞳子が言うと

「・・・・・・・・・・」
母親は、自分も一緒にいて
やったことだったので
言葉が出ずにいると
「どこの国にするかは、
自分で決めなさい。」
と、父
「はい、わかりました。」
「マンションは、売却する
必要なものだけ整理しときなさい。」
と、父親に言われて
「はい。」
その日、瞳子は実家の自分の部屋で
眠りについた。

翌日、目が覚めてから
マンションに行き
荷物を整理して
わかるように必要なものだけ
片隅に寄せてから
マンションを後にした。

架瑠さんのものは、
何一つ必要ないと言われていたので
さわらずにいた。

一通りすべての部屋を見て回る。

架瑠の部屋を初めて開けると
机とソファーベッドのみ・・

本当に・・
ここで暮らすつもりは端からなかった
事が伺える。

私は・・・

  誰からも愛される事は

    ‥‥‥ないのだろうか‥‥‥‥‥‥


架瑠さんからも・・・

両親からも・・・

そして・・麗音さん・・からも・・


瞳子は、両親以外誰にも
行き先を告げずにドイツへと
旅だった。
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