あの日の空にまた会えるまで。




「ーーー葵ちゃん、ほんと久しぶりだねぇ。元気してた?」

砂糖をたっぷり入れたコーヒーをすすりながら、目の前にいる人は久しぶりの再会にとても嬉しそうだった。

「元気でしたよ。蓮先輩は?」
「俺もぼちぼちかな。普通に元気」

あの時の電話は蓮先輩だった。

今からお茶しよう!と突然に誘いを受け、講義もなかったので承諾したわけなんだけど。

蓮先輩とは定期的に連絡は取り合ってた。大学に合格したときも報告の連絡はしていて、お祝いにご飯に行こうと言われたりはしていたけどタイミングが合わず、結局会うことはないまま1年ほどが経っている。

久しぶりに見た蓮先輩は前回顔を合わせたときと見た目も変わっていた。明るい茶髪だったのが、今は落ち着いた色になっている。会わない1年の間に成人にもなったからか、随分と大人びて見えた。もちろん蓮先輩の誕生日には毎年電話やメールでお祝いの言葉を贈っているし、それは逆も然りだ。

「大学どう?楽しい?」
「楽しいですよ。真央や悠斗もいるんで」
「3人ずっと仲良いよね。腐れ縁通り越してカビ生えてるよ、きっと」
「……」

なんだかそれ、悠斗も似たようなことを言っていた気がする。蓮先輩ほど酷い例えはしてなかったけど。そういえば、高校のときに悠斗、真央、蓮先輩の4人で何度かご飯に行ったことがあったけれど、蓮先輩と悠斗はまるで兄弟のように意気投合してた。中学のときから2人、仲良かったしな…と心の中でうんうんと1人納得する。

それに2人は定期的に会ったりもしているみたいだし。仲良いとやっぱりどこか似てくるのかも。

「葵ちゃん、英語学科だっけ?」
「はい」
「すごいよね、英語って。俺理系だから英語なんてまじ無理」
「文法と単語を覚えさえすれば、結構簡単なんですよ」
「そりゃ文法と単語覚えたら出来るでしょ。英語ができない人たちはね、それを覚えるのが無理なんだから」
「……そうですね」

たしかに仰るとおりである。

蓮先輩が得意で私が苦手とする数学も、きっと数式を覚えれば私にだって出来るんだ。けれどその数式がまず理解できない。だから苦手なまま。人にはどうしても、得意不得意があるということだ。

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