あの日の空にまた会えるまで。


ならば私も、覚悟と心の準備をしなければならない。

奏先輩がどういう気持ちで私の前に立つのか、それは知らない。どんな表情で私に笑いかけるのか、想像の中でしか知らない。

きっとあの人は、申し訳なさそうに悲しげに笑うのだろう。そして、戸惑う私に次は困ったように笑うんだ。

発する言葉は泣きたくなるくらい優しくて、どんな表情でも笑顔だけは絶やさない。

奏先輩はそういう人だったから。きっとそんな風に私の前に現れる。

だったら私は、せめて泣くことだけはないように。涙を流すことだけはしないように。せめてそれだけはしないようにしたい。

「また話聞いてね、真央」
「……なんでも言ってきな」

それ以上、真央は何も言ってこなかった。

真央のことだから、自分がこれ以上口を出して私を混乱させるようなことは言わないようにしようと、そう思ってくれたんだと思う。

会って話を聞くだけの些細な決意と覚悟が見えたのだろうか。



ーーー奏先輩


貴方は今、何を思っていますか?






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