あの日の空にまた会えるまで。




'そのとき'は


唐突にやってきた。






「ーーーキャンプ?」

真央が聞き返す。

「うん。交換大学生の人たちとここの友だちと皆でキャンプをしようってことになったみたいで、私も誘われたの。だから皆もどうかなーって」
「……へぇ、キャンプね」

真央が少し意味の含んだ言い方で呟いて、私に視線を向けた。それを追うようにして春ちゃんも私に視線を向ける。

「無理にとは言ってないから、行きたくなかったら言ってね」

奏先輩に再会したとき、真央が春ちゃんに奏先輩の情報収集をお願いしていたため、春ちゃんは私と奏先輩との何かを察している。

特に何も話してないから、何かあったんだろうくらいは思ってるんだろうけど、それが喜べるようなものではないと春ちゃんでも気付くのは当たり前だ。

だからこそ、少し遠慮気味に誘ってきたわけで。それが何を意味するのか、考えなくてもわかる。

遠慮気味に誘ってきたということはーーー奏先輩はそのキャンプに参加するということだ。

それはすなわち、奏先輩との再会を意味している。

「行くの?葵」
「……」

突然の現実に私は思わず目を伏せた。

行くか、行かないか。

行くのであれば、奏先輩との再会は確実。行かないのであれば、次はいつそれがやってくるのか分からない。



ーーーあおちゃんに会いたい



「……行く」


たとえどんな真実が待っていても、あの日裏切られた立場として、その真実だけはあの人の口から聞かなきゃならないーーーと思った。



< 67 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop