あの日の空にまた会えるまで。


「そもそもさ、高島さんって男?女?」
「どっちだろ…しおりには書いてないもんね」

「ーーー男だよ」

突然の後ろからの声に真央と2人で振り向いた。そこにはこちらをニコニコと見下ろす男の人がいた。茶髪の、優しげでだけど少しやんちゃ感のある、まさに少年と言ったらいいのだろうか。彼は車のキーを指に通してゆらゆらと振ってみせた。

「お待たせ。俺が高島。君たちは葵ちゃんと真央ちゃんでいいのかな?」
「あっ、はい!」
「ビンゴ!よし、行こうか」

どうやら高島さんも私たちを探していたみたいだった。高島さんの後ろをついていき、私たちは既に数人乗っている車に乗り込んだ。

既に車に乗っていたのは、美人な女の人が二人と男の人が一人。

「来た来た!待ってたよー!」
「はじめましてー!」

気さくに話しかけてきてくれる女の人は、髪が茶髪のショートの方が彩月さん。金髪に近い明るい色でロングの方が遥さん。二人ともすごい美人。3回生で、交換大学でこっちに来たと言っていた。本人たち曰くゼミ担当の教授からの猛烈アピールで嫌々来たらしい。

助手席に座っていた男の人は祐飛さん。あまり盛り上がって話すタイプではなく少しクールな人だけど、会話の節々で私たちを気にかけてくれるとても優しい人。

高島さんもとても良い人で、車の中は目的地につくまで終始笑顔に溢れていた。



気が紛れるから、ちょうど良かったと思う。

静かだったらきっと、頭の中はあの人のことでいっぱいになってしまうだろう。

だから、考える間もなく次々とやってくる会話に感謝した。良い人たちに囲まれてて良かった。




ーーー車を走らせて1時間半ほど。

目的地のキャンプ場に到着した。


車から降りると結構な人数がこのキャンプに来ていることを知る。


……この人だかりの中に、あの人がいる。


そう思うと自然と探してしまうのはもう人間の性だろう。

まずは各自の荷物を割り当てられているコテージまで持っていく。それからはバーベキューと川遊び。コテージではきちんと女子と男子で分かれていて、幹事が書いたと思われるしおりの隅に「変なことはないように!」と強気の字で書かれていた。

まぁ、こんなに男も女もいたら確かに何か起きそうな気もするけど、さすがに交換大学先での交流イベントで問題起こす人はいないかな…。

< 69 / 141 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop