君の155センチ
「なになに、初日から尚はあの子狙い?」

クスクス笑いながら裕也がその子の席に移動してきた。

「そんなんじゃねぇよ」
「確かに細いし可愛いもんなぁ」

教室のドアの方へ歩いていく彼女の後ろ姿は確かに華奢で小さくて可愛いく見えた。

「ま、尚のが小さくて可愛いけど」

そんな冗談を言いながらまだクスクス笑い続ける裕也に1発パンチをお見舞いし、他の部員と昼飯を食い始めた。

話題は男子高校生らしい同じクラスの女子の誰が可愛いという話。

俺はこの身長のせいで彼女が出来たとしても恥ずかしい思いをさせると思い込んでいてそんな話題は正直苦手だった。
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