こんなにも愛しているのに〜それから
則文がしでかしたことは
二人揃って
義父母にも伝えた。

もちろん義父は激怒し
義母は私に申し訳ないと泣いた。

義父は弁護士に入ってもらって
今後一切の関係を持たないように
話をつけようと言った。

則文も
彼女から連絡はあるが
会うことはしていないようだ。

「則文もその女と今後一切関わらないように。
会社のため、家のため
俺たちが不甲斐ないために
芳絵さんに、どんなに負担をかけていることか。
お前はわかっているのか!
それを
よくわからん女に引っかかって、
おまけに
妊娠までさせおって。。。」

お義父さんは怒りで震えていた。
一人息子の則文のあまりの不甲斐なさに
混乱してしまったのだろう。

「お義父さん、落ち着いてください。」

「芳絵さん、本当にすまない。
どうか、
このまま則文を見捨てないでやってくれないか。
いろいろと思うことは、あるとは思うが、、、
どうか、この通りだ。」

義両親二人して頭を下げられた。
私は
頭を下げられるような人間ではない。

「お義父さんも則文も、
それでいいのでしょうか?」

「えっ!」

それまで俯き
お義父さんの怒りに顔さえあげられなかった則文が
私を見た。

途端に顔を歪めて

「ヨシ、ごめん!
ヨシと別れるなんて、そんなことはできない!
勝手なことをしておいて、
自分勝手なことをしておいて
僕にこんなことを言う権利など
ないかもしれないが。」

「そうよ。
本当に不甲斐ない息子で、
どうしたらいいのか。
でも、私も芳絵さんがお嫁さんで
あって欲しい。
則文を追い出しても、芳絵さんにいてほしい。」

お義母さんはありがたい。
仕事にかまけて、
子供の面倒ひとつ
まともに見られなかったのに
すべて
お義母さんに助けてもらわなくては
何もできなかった嫁なのに。

「彼女と会おうと思っています。
その前に、
則文は彼女には未練がないの?
好きだという気持ちは残っていないの?」
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