離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活


◇◇◇◇◇

十分後、到着した区役所の窓口で、ふたり並び婚姻届を提出。職員に「おめでとうございます」と形ばかりの祝福を受け、無事受理された。

とうとう神谷百々花から、流川百々花へ。数日前には考えもしなかった、ある種の一大事件だ。


「時間が許すなら、軽くランチでもどう?」


区役所の出入り口の階段を下りながら、千景が提案する。
お昼も兼ねて時間を余計にもらってきたので、百々花には願ったりの誘いだ。


「はい、ぜひ!」


元気よく返事をすると、千景も「よし、行こう」とどこか弾む声で百々花の手を取った。


「近くにカフェがあったはずだ」


思いがけず手を握られ、鼓動が激しく揺れる。
夫婦なのだ。このくらいで動揺してどうする。

そう自分を鼓舞するものの、カフェまでどんな道を歩いたのか記憶にないほど翻弄されていた。
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