離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

店員に案内され、オープンテラスが見える窓際のテーブルに着く。どのメニューにするか千景と一緒に悩み、それぞれ違う種類のランチプレートにした。
先に運ばれてきた、三種のオレンジをブレンドしたフレッシュジュースで軽く乾杯の真似事をする。


「流川さん、今日からどうぞよろしくお願いします」
「こちらこそ。でもその、流川さんってのはやめようか。百々花も流川だよ」
「あっ、そうですよね」


千景がクスリと笑う。静かな森の中に差した光のように、清々しく凛とした笑顔だ。


「それじゃ、千景さん、で大丈夫ですか?」
「もちろん」


彼の了承は得たものの、ころっと呼び名を変えるのはなかなか気恥ずかしいもの。自然と呼べるまでは、少し時間が必要だ。


「あの、いろいろ考えたんですけど、せっかくこうして結婚したので、離婚前提とはいえ楽しくいこうと思うんです」


どのくらいの期間を一緒に過ごすか定かではないが、できるだけ笑って陽気に過ごしたい。
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