離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「俺の好みで勝手に選ばせてもらった。サイズが合わなければ、すぐに直すよ」
千景が蓋を開けた瞬間、心拍数が跳ね上がった。百々花の予想通りのものが顔を出したのだ。ダイヤのリング、婚約指輪だろう。
ブリリアントカットされたダイヤモンドがプラチナの台座とともにキラッと輝く。
「ですが、それはいただけません」
「どうして?」
「だって……」
ふたりの未来には、離婚が待っているのだから。不要なものだ。
「離婚前提なのにとか言う?」
まさしくそうだ。百々花は小さくコクンとうなずいた。
「普通の夫婦らしくしようって言ったのは誰?」
「あっ……」
千景がいたずらっぽい目をする。
そうか。これは夫婦らしくするための第一歩。言いだしたのは百々花だ。