離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活


「ありがとうございます」


ライトがあたって煌めくリングは、光が散りばめられた夜景とは比較にならないほどに美しい。角度を変えると光線が変わるものだから、百々花はしばらくそれに見入る。


「結婚指輪は、あとで一緒に選ぼう」


それもやはり、夫婦らしくあるためのアイテム。百々花は、今度は素直に「はい」と答えた。

それからほどなくしてコース料理が運ばれてくる。
白身魚のエスカレッシュやテリーヌ、サーモンのマリネがのったオードブルが目にも鮮やか。繊細な盛り合わせは、見るだけでも楽しめる。


「そうだ、百々花に大事なことを言い忘れてた」


千景がナイフとフォークを持つ手を止め、百々花を見る。


「なんでしょうか」


百々花も同じようにして、口もとをナフキンで拭った。
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