離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活


「大丈夫だったんですか?」
「嫌な思いをさせたね。悪かった」


いいえと首を横に振るが、彼女が誰なのか、どういう理由でここへ来たのかは気になる。


「少し飲みなおさないか?」


千景はワイングラスを片手でふたつ持ち上げ、軽く揺らした。小首を傾げて微笑む仕草に誘われるまま、ソファに腰を下ろす。お酒は好きなほうである。

隣に座って遠慮なく注いでもらい、今夜二度目の乾杯。真紅のワインはのど越しがよくてまろやかなため、飲みすぎないように注意したほうがよさそうだ。


「さっきの彼女は、父親が結婚相手にと選んだ相手なんだ」
「そうなんですね」


小刻みにうなずきながらサラッと返す。
やはり百々花の想像したとおりだった。あまり根掘り葉掘り聞くのも不躾な気がして口をつぐんだ。

本当はどんな話し合いをしてきたのか気になるというのに。自分にも天邪鬼なところがあるみたいだ。質問をワインで飲み込む。
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